はじめに
キッチンのリフォームを検討する際、最も多くの方が悩まれるのが「熱源」の選択です。
「慣れ親しんだガスコンロを使い続けるか」
「思い切って掃除の楽なIHクッキングヒーターに変えるか」
これは単なる調理器具の交換ではありません。
毎日の家事の手間、ご家族の安全性
そして将来のライフスタイルに関わる重要な選択です。
皆様からの疑問
「IHは火力が弱いって本当?」
「工事費用は意外と高いの?」
「古いマンションでも取り付けられる?」
今回は、そんな疑問に対して、リフォーム現場の最前線にいる担当者の
「本音」と「リアルな数字」をもとに
メリット・デメリットから施工のリスクまでを包み隠さず徹底解説します。
1. ガスとIH、決定的な「安全性」の違い
IHへの変更を検討する最大の理由は、やはり「圧倒的な安全性」にあります。
特にお子様や高齢の方がいらっしゃるご家庭では、IHに変えるメリットは計り知れません。
ガスコンロの火災事故の多くは、「袖口への着火(着衣着火)」や「消し忘れ」によるものです。
IHは火を一切使わないため、これらの物理的なリスクを根本から断つことができるからです。
現場でお客様からよく伺うのは、以下のような「ヒヤリハット」の経験です。
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「高齢の母が、火を点けたまま鍋を忘れてしまい、焦がしてしまった」
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「子供がガスコンロのスイッチに興味を持って触ろうとする」
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「揚げ物をしている時に、袖口が炎に近づいて怖かった」
IHであれば、そもそも炎が出ません。
また、鍋が載っていないと加熱されない機能や、切り忘れ防止のタイマー機能、
チャイルドロックなどが標準装備されている機種がほとんどです。
「火の心配をしなくていい」という精神的な安心感は、IHならではの最大の価値と言えるでしょう。
料理の味や道具へのこだわりよりも、「家族の安全」や「うっかりミスの防止」を最優先したい場合、
IHへのリフォームは間違いなく正解です。
2. 料理の味は変わる?IHの「火力」と「調理」の真実
「IHは火力が弱い」というのは誤解ですが、「鍋を振る料理」には不向きです。
ご自身の調理スタイルによって向き不向きがはっきり分かれます。
IHは熱効率(エネルギーが熱に変わる割合)が約90%と非常に高く
お湯を沸かすスピードなどはガスよりも早いです。
しかし、安全装置の仕組み上、鍋をトッププレートから離すと加熱がストップしてしまいます。
■ IHが苦手なこと(デメリット)
中華料理店のように、中華鍋をガシャンガシャンと激しく振って
炎の中で食材をあおるような調理はできません。
鍋底が離れるとセンサーが反応して加熱が止まります。
「チャーハンは鍋を振ってパラパラにしたい」「直火で海苔やスルメを炙りたい」
という強いこだわりがある方は、ガスコンロの方がストレスなく調理できます。
■ IHが得意なこと(メリット)
一方で、「揚げ物」や「炒め物」「煮込み料理」といった
一般的な家庭料理においては、IHは何の不便もありません。
むしろ、温度管理が正確なので、「揚げ油を180℃に保つ」といった作業はガスより得意です。
お湯が沸くのも驚くほど早いため、パスタを茹でる際などの時短になります。
「プロのようなあおり調理」を求めないのであれば、
日常使いにおいてIHの火力不足を感じることはまずありません。
3. 気になる費用の目安と「工事費」の内訳
ガスからIHに変えるリフォームの総額目安は、「20万円〜35万円」程度を見ておいてください。
IH本体の価格に加え、ガスを止めて電気を引くための「設備工事費」が必ず発生するからです。
ここが、ただ置くだけの家電とは違う点です。
費用の内訳をざっくりと分解してみましょう
① IH本体価格:10万円〜20万円
メーカーや機種、機能(オールメタル対応やグリルの性能)によって幅があります。
最近の売れ筋であるPanasonic製などの標準的なモデルであれば、この価格帯が目安です。
② 工事費総額:10万円〜15万円
ここが少し分かりにくい部分ですが、以下のような作業が含まれます。
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電気配線工事: 分電盤(ブレーカー)からキッチンまで、IH専用の200V電源配線を引っ張ってくる工事です。
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ガス閉栓工事: 既存のガス管を閉じて、プラグ止めなどの安全処理を行う作業です。
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既存機器処分費: 古いガスコンロを撤去し、処分するための費用です。
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設置・調整費: 新しいIHを組み込み、動作確認を行う費用です。
チラシなどで「本体半額!」といった表記を見かけますが、
実際にはこうした「工事費」がプラスされます。
予算を組む際は、総額で検討することが大切です。
4. 工期はどれくらい?その日のご飯は作れる?
工期は「2日程度」を予定してください。
簡単な交換なら半日で終わることもありますが、
電気配線を丁寧に行うためには2日見ていただいた方が確実です。
具体例
1日目:既存のガスコンロを撤去し、ガスの閉栓を行います。
その後、電気配線のルート確保と通線作業を行います。
この日はキッチンが使えない状態になることが多いです。
2日目:配線の接続を完了させ、新しいIH本体を設置します。
試運転を行い、問題なければ工事完了です。
2日目の夜からは新しいIHで料理が可能です。
「数時間で終わる」と思われがちですが、見えない部分の電気工事をしっかりと行うため、
余裕を持ったスケジュールをご案内しています。
5. 【重要】施工できないケースと電気容量のリスク
非常に稀ですが、建物の構造や契約状況によっては、
「IHを設置できない(工事不可)」となるケースが存在します。
IHクッキングヒーターは、ドライヤーや電子レンジとは比べ物にならないほど
大きな電力(200V/30Aなど)を消費します。
そのため、物理的な配線ルートと、十分な電気容量が必要不可欠だからです。
事前に知っておいていただきたい「2つのリスク」があります。
リスク1:配線が通せない(構造上の問題)
分電盤からキッチンまで、壁の中や天井裏、床下を通して電線を配線します。
しかし、建物の構造(コンクリートの梁が邪魔をしている、点検口がない等)によっては、
「物理的に線を通せない」ことがあります。
この場合、壁の外に配線カバー(モール)を這わせる露出配線になりますが、
見た目を気にされる場合は施工断念となることもあります。
リスク2:電気容量が足りない(契約の問題)
これが最も注意すべき点です。
現状の電気契約が30Aや40Aなどでギリギリの場合、
IHを使った瞬間に家中のブレーカーが落ちてしまいます。
通常は電力会社と契約してアンペア数を上げれば解決しますが
「築年数の経っているマンション」などの場合、
マンション全体の変圧器の容量が決まっており
「各世帯、最大30Aまでしか契約できません」という制限がかかっていることがあります。
この場合、どんなにお金を払ってもIHを導入することはできません。
「商品を買ったのに付けられなかった」というトラブルを避けるために、
必ず事前にプロによる現地調査を行い、分電盤と配線ルートを確認させていただきます。
6. おすすめのメーカーは?
メーカー選びに迷ったら、現在は「Panasonic(パナソニック)」
が最も多くの支持を集めているようです。
弊社は特定のメーカーに肩入れしているわけではありませんが
客観的な市場データとして販売シェアNo.1という実績は、
Panasonicを選ぶ上での大きな判断材料になるかと思います。
「一番売れている」ということは、それだけ部品の供給も安定しており、
修理対応や使い勝手のノウハウが蓄積されているという安心感につながります。
特に評価されているのが「グリル機能」と「掃除のしやすさ」です。
魚を焼くだけでなく、オーブンのように使えるグリルや、トッププレートの汚れが落ちやすい加工など、
日常の使い勝手が非常に研究されています。
特別な機能へのこだわりがなければ、まずはPanasonicのカタログから、
ご予算に合うグレードを選定することをおすすめします。
7. 弊社の「強み」と施工へのこだわり
弊社では、IHの施工実績自体はこれから積み上げていく段階ですが、リフォーム全体で培った
「配線を隠すノウハウ(隠蔽配線)」には自信を持っています。
IHへの交換工事で最も差が出るのは、機器の設置ではなく「電気工事の仕上がり」だからです。
知識のない業者が行うと、部屋の壁に配線カバーが露出してしまい、せっかくキッチンが新品になっても、
部屋全体の見た目が悪くなってしまうことがあります。
私たちは普段、様々なリフォームを幅広く手掛けており、多くの設備に触れています。
「どこを通せば壁を傷つけずに配線できるか」
「どうしても露出する場合は、どうすれば目立たないか」
こうした現場の知恵と技術は、IH交換工事においても遺憾なく発揮されます。
「IHの取り付け台数」だけを競えば、量販店には敵わないかもしれません。
しかし、「キッチンという空間全体をきれいに仕上げる」という点において、
私たちは一切の妥協をしません。
「うちは古いから無理かな?」「配線が見えるのは嫌だな」
と迷われている方は、ぜひ一度ご相談ください。
できないことは正直に「できない」とお伝えし
可能な限り美しく、安全に使えるプランをご提案させていただきます。
まとめ
ガスからIHへのリフォームについて、メリットだけでなく、
デメリットや工事のリスクまでお伝えしました。
IHは魔法の道具ではありませんが、ライフスタイルに合致すれば、
毎日の料理と掃除を劇的に楽にし、家族の安全を守る最高のパートナーになります。
「うちの場合はいくらかかる?」
「マンションの電気容量は大丈夫?」
まずは現地調査にて、ご自宅の状況を確認させてください。
皆様の住まいにとって最適な選択を、一緒に考えさせていただきます!
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